セットアップ (CPU編)

GPUは持っていないけど,とりあえず手元のPCでお手軽に機械学習とやらを始めてみたい人向けの解説です.
エディタ,python,tensorflowの三点セットのインストールを解説します.

VSCodeはインストール済とします

目次

Windows環境にインストールする方法と,Windows上にWSL(Windows subsystem for linux)をインストールして,そこに色々インストールする方法の2種類.

  1. Windows native環境
  2. Windows wsl Ubuntu

お試しであれば 1 を,将来的にGPUを使うのであれば 2 をお勧めします.

簡単な計算であれば,4core, 3GHz程度のCPUでも何とかなります.

Windows native環境

2023/6/30

テストした環境:Windows10, Python3.10 or 3.11, TensorFlow2.12.0

python の install

注意:あとから GPU 版を Install する場合は,Python 3.9 or 3.10を使用する方が良いでしょう.
2023/7/31 現在,3.11 ではうまくインストールできない可能性あり.
以下の説明内のバージョン番号を適宜読み替えてください.

Pythonのサイト www.python.org からPython 3.10 インストーラーをダウンロード.
ここでは Windows Installet(64-bit) をダウンロード,実行してセットアップする.
途中のオプションで,[Add python.exe to PATH]と[Install Python 3.10 for all users] にチェックを入れておく.

インストールが完了したら,動作確認のためスタートメニューの [Windows System] [Command Prompt] を起動し,コマンドラインから以下のように Python インタプリタを起動してみる.
>>> は,pythonの入力プロンプトである.
exit() と入力するとコマンドプロンプトに戻ることができる.

> python
Python 3.10.11 (tags/v3.10.11:7d4cc5a, Apr  5 2023, 00:38:17) [MSC v.1929 64 bit (AMD64)] on win32
Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
>>> exit()

念のためシステム中に存在する Python の version を確認.
複数のバージョンがインストールされている場合は,トラブル削減のためアンインストールしておくとよい.

>  py --list-paths
Installed Pythons found by py Launcher for Windows
 -3.10-64       C:\Program Files\Python310\python.exe *

ダウンロードからインストールまでの動画

Pythonの仮想環境venvの作成

Pythonでは,パッケージがいろいろと入るので,今回の実験専用の仮想環境を用意しておく.
venvについては,こちらの公式サイトの説明を参照.

スタートメニューの[Windows System][Command Prompt]を起動し,以下のようにvenv用のディレクトリを作成してそこに移動する.
ここでは管理者でなくともよい.

> cd c:\users\(ユーザー名)   <-自分のホームディレクトリに移動
> mkdir venv
> cd venv

このフォルダ内で以下のようにコマンドを入力する.
しばらく時間がかかるが,いろいろなファイルがこのフォルダ内にコピーされるようである.

> py -3.10 -m venv py310-cpu    (python 3.10の場合)

末尾にcpuという名前をつけているのは,別途 GPU 版を入れるときの識別を見据えて.
今回は不要かもしれないが,念のためつけておく.

venvの設定をコマンドプロンプトから行う様子.

VSCodeにvenvの設定

VSCodeを起動し,メニューで [ファイル] [ユーザー設定] [設定] を選択. 検索で 「venv」と入力し,python.venvPath に ~/venv (先ほど作成したvenvのフォルダ)を指定

VSCodeにvenvのパスを設定をする様子.

いったん,VSCodeを終了して再起動すればOK

では,ソースコードを作成して動作チェックをする.
VSCodeの左上のボタン(エクスプローラ)から作業用のフォルダーを開き,ここに以下のソースファイルを作成し,hello.py という名前で保存する.

print("hello world")

VSCode右下のステータスバー欄の「Select Interpreter」(最初は未設定で黄色くなる)をクリック,作成したvenvをクリックして設定.
または,「表示」「コマンドパレット」で 「interpreter」 と入力し,候補に出てくる「Python:インタープリターを選択」で,先ほど設定したvenv(py310-cpuのような名前)を選択する.

インタプリタの設定.venvのパスを選択すると右下のステータスバーの表示が変わる.

メニューの [Run] [Run without Debugging] または [CTRL] + [F5] キーを押すと,ターミナルが開き,venv環境でPythonが呼び出され,実行結果が表示される.

(venv) % /usr/bin/env /Users/tatsuya/venv/bin/python /Users/tatsuya/.vscode/extensions/ms-python.python-2023.12.0/pythonFiles/lib/python/debugpy/adapter/../../debugpy/launcher 53753 -- /Users/tatsuya/Desktop/test.py 
hello world       <-実行結果

ここまででPythonのインストールと動作確認はOK.

ターミナル内に赤字でスクリプトの実行に関するエラーが出る場合

管理者権限でコマンドプロンプトを開き,以下のコマンドを実行する.

c:\windows\system32> PowerShell Set-ExecutionPolicy RemoteSigned

TensorFlow(TF)のinstall

基本的には pipコマンドを使用してインストールする.
以下のコマンドを順次入力(本ページのコピペ)していけばOK.

Windowsのスタートメニューの [Windows System] [Command Prompt] をクリック,コマンドプロンプトを起動する(管理者でなくてもよい).
まずvenvのフォルダに移動し,venv環境を activate する必要がある.
下記のように,コマンドプロンプトの最初に「(py310-cpu) 」のような丸括弧でvenvの種類が表示されている状態でインストールすることが重要!

C:\users\tatsuya> cd venv 
C:\users\tatsuya\venv> py310-cpu\Scripts\activate
(py310-cpu) C:\users\tatsuya\venv> pip install tensorflow

引き続き,必要に応じて,いろいろ install.いらなければSkip可.
いずれも上記と同様,venvをactivateした状態でインストールする. 順不同.kerasはtensorflowとともにインストールされるはず.

pip install -U pip
pip install numpy scipy matplotlib pandas imageio scikit-learn opencv-python python-dateutil jupyter notebook cmake pyyaml h5py pydot-ng keras pillow

以下,インストール作業動画が長いため,所々スキップしています.

一通りインストールが終わったら,動作テスト

Windows WSL にインストール

WSL2のインストール

Windowsの「設定」「アプリと機能」「プログラムと機能」「Windowsの機能の有効化または無効化」で,以下を有効化して再起動.

Ubuntu22.04のインストール

再起動したら,コマンドプロンプトを管理者として実行. Ubuntu 22.04をインストール.

C:\WINDOWS\system32> wsl --install --d Ubuntu-22.04

インストール中: Ubuntu 22.04 LTS
Ubuntu 22.04 LTS がインストールされました。
Ubuntu 22.04 LTS を起動しています...

Installing, this may take a few minutes...
Please create a default UNIX user account. The username does not need to match your Windows username.
For more information visit: https://aka.ms/wslusers
Enter new UNIX username: ********(ユーザ名を入力)
New password:(パスワードを入力)
Retype new password:(パスワードをもう一度を入力)
passwd: password updated successfully
この操作を正しく終了しました。
Installation successful!

(省略)

username@hostname:~$ exit
logout

Linuxのシェル (bash) が起動した場合は exit と入力して,Windows のコマンドプロンプトに戻る.

Windowsのコマンドプロンプトで以下を順に実行.
まず,wslを最新版に更新

>  wsl.exe --update

versionを確認.

>  wsl.exe --list -v

NAME            STATE           VERSION
* Ubuntu-22.04    Stopped         2

もし version==1 であれば

>  wsl.exe --set-version Ubuntu-22.04 2

と設定しておく.

これで,コマンドプロンプトから wsl.exe と入力するだけで WSL が起動,入力待ち画面になる.

Pythonのinstall

wsl.exe によりUbuntu を起動する.
シェル上で以下を実行.install可能なバージョンが表示される.

> wsl.exe          <- これはWindowsコマンドプロンプト
$  sudo apt update          <-  ここからwsl
[sudo] password for username:(パスワードを入力)
$  sudo apt list python3.*

ここでは3.10をインストール.

$  sudo apt install -y python3-pip
$  sudo apt install -y python3.10-venv

python と打ち込むと自動で python3 が実行されるように設定しておく.

$  sudo update-alternatives --install /usr/bin/python python /usr/bin/python3.10 100

$  python -V
Python 3.10.6

VENVの設定

$ mkdir ~/venv
$ cd ~/venv

$ python3.10 -m venv py310

Tensorflowのinstall

venv を activate した状態で,インストールする.

source ~/venv/py310/bin/activate
(py310) $ pip install tensorflow

念のためversionを確認

(py310) $ pip list | grep tensorflow

これでTensorFlowのinstallはOK.

以下,必須ではないが,おそらくすぐに必要となりそうなものをinstall.

$  pip install -U pip
$  pip install numpy scipy matplotlib pandas imageio scikit-learn opencv-python python-dateutil jupyter notebook cmake pyyaml h5py pydot-ng keras pillow